「できごと」プロジェクト
-災害支援フットケア活動-
活動日:2024年6月25日・26日
走行距離:佐賀県 ⇄ 石川県 往復1989㎞
当法人は、「できごと」というプロジェクトを立ち上げ、災害支援フットケア活動をはじめました。
震災という出来ごと「できごと」がおこり
そして、私たちに出来ること「できごと」を探した。
私たちに出来ることは、被災者の足もとを温め、疲れを癒し
心からの慰労を図ることだった。
被災地に温もりあるフットケアを届けるために
私たちに出来る活動「できごと」を皆様と共に届けたいと考えています。
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2024年6月25日・26日、岩手県の当法人インストラクターでありDCAT(災害介護派遣チーム)と共に、
石川県の介護現場を巡り、被災を受けられた方々の足もとの環境を整える災害支援フットケア活動「できごと」の活動録を記します。
「できごと」プロジェクト:災害支援フットケア企画書
主催 | NPO法人TEAMフットサポーター’s 〒840-0801 佐賀県佐賀市駅前中央二丁目9-6 電話:0952-37-6558 ※共同:災害介護派遣チームDCAT(岩手県) ※2011年3月11日の東日本大震災で、岩手県大船渡市も地震、津波で甚大な被害を受け、生活を脅かされました。その際に、「緊急医療」はあっても「緊急介護」という概念が全く存在していなかった。そこで、災害派遣医療チーム(DMAT)の介護版となる災害派遣介護チーム(DCAT; Disaster Care Assistance Team)を岩手県の社会福祉法人 典人会内で創設し、被災地へ迅速に駆け付ける体制を組織化すべきだと考え全国的に活動している。 〒022-0002 岩手県大船渡市大船渡町字山馬越196番地 社会福祉法人 典人会内 |
目的 | 1.被災地域に温もりあるフットケアを届ける。 ①高齢者・従事職員の足の疲れを癒し、心からの慰労を図る。 ②足(爪・皮膚・角質・白癬)等の問題把握・悪化予防・改善 ③歩容上の問題や足腰の悩みを解決する。 ④更なる震災からの身を守り、避難できる足とフットウエアの環境を整える。 2.被災者の生の声と経験談を聞き、震災に対する予備知識を深める。 3.震災の学びを活かし、地元支援機関との災害支援体制の構築一助とする。 |
期間 | 2024年6月25日~6月26日 |
対象 | 被災地の介護施設利用者・従事職員・被災地の高齢者 |
場所 | 6月25日(火)10:00~12:00 介護老人福祉施設サンライフたきの里 定員20名+被災地の高齢者 住所:石川県加賀市山中温泉滝町1番1 6月25日(火)14:00~16:00 グループホームやたの 定員18名+被災地の高齢者 住所:石川県小松市矢田町イ8番地 6月26日(水)13:30~15:30 グループホームひなたぼっこ 定員18名+デイサービス利用者 住所:石川県輪島市山本町矢本17-2 |
内容 | 被災地でのフットケア 1,保清(炭酸泉足浴・石鹸泡洗浄) 2,爪の長さと厚み調整 3,角質ケア(胼胝・魚の目処置) 4,保湿 5,マッサージ 6,足もとのバランス調整 7,履き物(あゆみシューズ)のご提供 8,足カルテ作成 9.各施設担当者への状況報告 |
-今回の「できごと」プロジェクトにご支援を頂きました皆様のご紹介-
株式会社 徳武産業 様
株式会社 アリーナ 様
株式会社 ワールドグローブ 様
株式会社 持田製薬 様
株式会社 ビューティフルライフ 様
ひらまつ在宅クリニック 鐘ヶ江寿美子 様
権藤千秋・順子 様
綱 栄子 様
株式会社 Stance 様
足のナースステーショングループ 様
ありがとう御座いました。
【活動報告】
▶事務局(佐賀市)、そして愛知県・岩手県(大船渡)から各々ワゴン車に資材を積んで出発したメンバーは、6月24日(月曜日)の夕方に石川県加賀市にある介護老人福祉施設サンライフたきの里に参集した。まず施設をかりてのミーティングを行い、現地の方からの被災及び復旧状況の説明、支援物資の確認と活動の打ち合わせを行った。
▶ 6月25日(火曜日)
活動1日目10:00~12:00 介護老人福祉施設サンライフたきの里(加賀市)
滞在活動時間約2時間
フットケア介入数:17名(利用者15名+従事スタッフ2名)
足もとからのバランス調整:10名(利用者6名+従事スタッフ4名)
▶6月25日(火曜日)
活動1日目13:30~15:30 グループホームやたの(小松市)
滞在活動時間約2時間
フットケア介入数:11名(利用者10名+従事スタッフ1名)
足もとからのバランス調整:17名(利用者11名+従事スタッフ6名)
▶ 6月26日(水曜日)
活動2日目13:00~15:30 グループホームひなたぼっこ(輪島市)
滞在活動時間約2時間30分
フットケア介入数:17名(利用者16名+従事スタッフ1名)
足もとからのバランス調整:17名(利用者16名+従事スタッフ1名)
加賀市のホテルを8時に出発し輪島市に向かう。陥没した道路を4時間半走行し目的地に到着した。輪島市の被災状況は復旧が進まない現状で、汚水処理が難しく大きな病院のトイレを借りた。被災地の日常は、半年経った今も不便な状況であり倒壊した家屋も手つかずの様であった。
【災害支援フットケア活動結果】
1. フットケア実践介入した全体人数45名
●サンライフたきの里:17名(利用者15名+スタッフ2名)
●グループホームやたの:11名(利用者10名+スタッフ1名)
●グループホームひなたぼっこ:17名(利用者16名+スタッフ1名)
2. フットケアの流れは①②③④全員・⑤⑥は適応者のみ施行。
① 保清:足浴(炭酸泉足浴)または足泡洗浄:100%
② 爪周囲と爪下皮の掃除:100%
③ 爪の長さ厚み調整:98%(1名は自分で爪切りを出来ており問題ない人)
④ 保湿:100%
⑤ 巻き爪矯正:3名 6.7%
⑥ 胼胝処置:4名 8.9%
3. 足カルテの記載内容と画像より判断した問題点
4.足もとのバランス調整(脚長補正+靴中敷きにアーチパッド貼付)44名
●サンライフたきの里:10名(利用者6名+スタッフ4名)
●グループホームやたの:17名(利用者名11名+スタッフ6名)
●グループホームひなたぼっこ:17名(利用者16名+スタッフ1名)
5.災害支援フットケア活動の考察
3施設、合計45名の利用者と職員にフットケアを実践した。
対象者の大半が、爪が長く爪甲肥厚・足趾変形・乾燥・白癬所有の可能性があり浮腫も伴っていた。
変形した足趾の先端に生える爪は切りづらく、被災地での不衛生になり易い環境から爪甲肥厚・乾燥・爪白癬の疑いを含む爪切り難民も増加すると考えられる。安全なフットケアの提供については、肥厚爪をケアするグラインダー等の器材の使い方を含めた知識と技術の経験値が求められ教育体制の確立が急務である。
今回のフットケア介入効果は、利用者の「あっさりした」の言葉として拝聴することができ、高揚して歌い出す利用者の表情に現地の職員と共に笑顔を共有することができた。この災害支援フットケア活動が切っ掛けとなり、多くの被災者の足を温め、心を癒すフットケアの有用性へと繋がればと感じる。
足は、営みを支え生活を支えている。被災地でのTEAMフットサポーター’sの活動を通して、足もとからのバランス調整を図り、動作・仕草を瞬時に変える動きの構造学(バイオメカニクス)の効果を得ることができたと考える。
医療を受けることが難しい被災地だからこそ、足の骨格構造の崩れから膝・腰の痛みを抱え動けなくなる高齢者も多い。被災現場に於ける足腰救済活動も急務であり今後も活動を展開したい。
アンケート結果
【追記】
限られた貴重な時間をロスなく効率的に活用するための事前準備は重要です。また、被災地での活動には、出来るだけゴミとなる廃材を持ち込まない配慮も心がけたい点です。
例えば・・・
- 徳武産業様からご支援頂いた靴(介護シューズ96足・スリッパ・靴下)
- 被災地からご支援者に返信が届くように1足に一枚のハガキを準備しました。
そのハガキには、サイズを色で識別できるように表記して見える化を図りメンバーが分かり易くしています。
3.段ボール箱から取り出して透明ビニール袋に入れ替える
4.肩掛けクリアバック(布団袋)に入れて活動場所への搬入もスムーズにしています。 袋が空になれば、廃棄せずに他の用途で活用できます。
非営利活動法人 TEAMフットサポーター’s
代表 岡橋伸浩
事務局